アジアを訪れる楽しみのひとつであるマーケット。ですが観光客向けではない地元向けマーケットはまさに混沌でした。
カンボジアの首都プノンペン。ポル・ポト時代の後に目覚ましい復興を遂げ、今は観光客も多く訪れる大都市に成長しています。それでもまだまだタイなどに比べれば「いかにも」なアジア臭さを色濃く残しており、そうした雰囲気に惹かれる人も少なくありません。
アジア臭さを最も手軽に体験できる場所のひとつがそれぞれの街に存在するマーケット。むせ返る熱気と雑多なカオスの中をふらりと当てもなく歩くのはアジア旅行の大きな楽しみと言えるでしょう。
もちろん観光客の多い街のマーケットでは、そんなアジア臭さを求めて迷い込んできた観光客に「ハローマイフレンド!ベリーチープ、カムカム!」と土産物をいいお値段で売りつけようとするお店もあり、それも一種の味なのですが、まったく観光客などハナから相手にしていない地元向けマーケットにもまた独特の楽しみがあるのです。
ここ、プノンペンのロシアンマーケットもそんなマーケットのひとつ。本当は「オルセーマーケット(Orussey Market)」というなんだか高尚な芸術性を感じさせる名前なのですが、基本的にロシアンマーケットで通っています。
先日の記事でレポートした「孵化寸前のアヒルのゆで卵」などの屋台村ができるのもこのマーケットの前。昼間はこんな感じに搬入のトラックが所狭しと並んでいます。
正面入口から英語表記の案内すらありません。潔いほど地元民しか相手にしていません。さて、何が売られているのでしょう?
いきなりの電気街です。正規版なのか海賊版なのかよく分からないカンボジア歌謡のCDの隣にはなんとカセットテープが売られています。
こちらは空のカセットテープにUSBメモリに車のオモチャ。
スマホからガラケーも取り揃えています。値段なども聞いてみようとしたのですが、お店の人がまったく英語が喋れなかったため断念。
中に踏み入ると延々とどこまでも店と通路が続きます。
機械の部品のみを取り扱っているお店。昔の秋葉原を思い出すようです。
ちょっとサイバーパンク感さえ感じます。
そして唐突に出現する美容院。
さらに少し奥に進むと食料品エリアに突入です。ここは穀物類のお店が並びます。
少しずれると日用品が。
いきなり階段が現れました。おばちゃんが踊り場でフルーツを売っています。自由です。
階段の途中から1階を見下ろすとさらにサイバーパンク感が上昇しています。よく見ると屋根の部分が収納としてうまく活用されていますね。
2階に上ってみると延々と衣料品エリアになっていました。
お店の間の通路を頭にお盆を載せて器用に歩いて行くおばちゃん。アジアな風景です。
このドレスはカンボジアの伝統的な衣装を模したもの。それにしても上の段のものはミニ過ぎる気がしますが。
迷っているうちに端まで来ていたようです。ずらりと屋台の横丁ができていました。
奥の階段を降りると生鮮食品のお店のエリアに。
フルーツからお菓子、お惣菜までなんでもあります。
ハーブ、香辛料、魚の干物に漬け物風の野菜も。
謎の味噌風の調味料とバケツいっぱいのチリソースです。これは美味しそう。
一番奥は別の通りに通じていて、そこから出たら驚きの豚の丸焼きコーナーでした。ものすごく気になりますが、流石に旅行者の買えるものではありません。
筆者がこのマーケットを初めて訪れたのは内戦の傷跡がまだ色濃く残る1999年のこと。当時は実弾や銃の部品がこっそり並べられていたのを今も覚えています。さすがに2016年の今はそんなことはありませんが、観光客向けでないリアルに凝縮されたアジアのカオスを体験してみてはいかがでしょうか?
ちなみに治安は特に悪くありません。海外旅行の際の通常の警戒で十分です。お店の人はまず英語がしゃべれないため、指差し会話帳などを持っているといいかもしれません。
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